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Sunday, 20 August 2006

青空

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もう鬼籍に入った父が子供の頃、そう大正末か昭和のごく初期の話だと思うが、家業の農作業を手伝わずに田圃の畦道で寝転がって空ばかり見ていたと言っていたのをふと思い出した。8 人兄弟姉妹の末っ子だった父は、兄、と言っても親子程年齢が違うのだが、の奥さん、つまり義理の姉からこっぴどくしかられたと、好きな日本酒をぐびりと飲み込んだ後にそう付け加えた。思うに、父は空と表現していたが、地上に近い低い位置の淡い空色から頭の上で群青色に変わっていく九州北部の空を眺めていたのではなく、そこにぽっかりと浮かんだ雲を眺めていたのだと思う。つまり父にとっての空とは、快晴ではなく雲が浮かんだ空だったのだ。確かに雲の存在があるからこそ空の大きさを知覚し、人智を超えた「なにか」の存在を身近に感じるということもあったのだろう。そういう如何ともし難い「なにか」を父は好んでいたのかもしれない。筆者も空、いや、雲を眺めるのが好きだから、亡父の DNA だかジーンだかは確実に受け継がれているのだが、残念ながら都心では絵になるような空を見る事は難しい、仔細を述べれば、雲が無いのではなく、雲はあるが力強さに欠けるのである。そういう思いになったのは、旧盆のこの時期、墓参りにも帰らず、レンズの為に仕事をしている愚息にあきれているのか、励ましてくれているのか、流石に遺伝情報を受け継いだだけの身では判りかねている。
(ZUIKO Digital ED 35-100mm/f2.0)

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