なんだか、ややこしいハナシになってきました。今回の一連の M8 の問題、整理するとマゼンタ被りが黒色の生地や塗料に出る、高 ISO 時のストリーキング(低照度下での撮影時、被写体に高輝度の発光体があると帯状のノイズが出る)、高輝度の被写体(ハロゲン・ランプ等)を撮影するとグリーンのゴースト・イメージ (Green Blob)が現われる。この 3 点に関して、ライカ社は「発売前に知っていたのに知らぬふり」をした「らしい」という事、、、これは、Digital Photography Review (http://www.dpreview.com/) の 11 月 10 日付記事に、
Phil: Note that we have been working closely with Leica on this, obviously it made sense for us to delay our review until these issues have been resolved.
(意訳) フィル(発刊人)のコメント:本件(問題)につき我々はライカ社と緊密に(連携をとって)やってきました、これらの問題点が解決されるまで我々の(本格的)レビューを遅らせる事が有意義である事が明白だったからです。
つまり、Digital Photography Review 側は問題点には気づいていたが、暗にライカ社からのどのような形にせよ「圧力らしきもの」があった事を示唆しています。
更に、Luminous Landscape の What's New (http://luminous-landscape.com/new/index.shtml)では、主筆の Michael Reichmann 氏が、低照度時の AWB がうまく働かない事、赤外線に対する過度な応答性以外の問題つまり、前記のマゼンタ被り、ストリーキング、Green Blob に関してそれらの問題を指摘したレヴューの草稿を業界の慣習としてライカ社に見せたところ「鋭意、問題解決に努力しているからそれら(3 つの問題点)には触れないでくれ。」との回答が有り、レヴューをこれ以上遅らせる事は出来ないし、また問題解決後にフォローアップとして解決方法を提供すれば良いのだとして、これら 3 つの問題点に触れないようにしたが、問題解決は成されず、問題点が購入者によりネット上で議論されるようになり、その矛先が(一体、製品の事前レヴューをやった人間達は何をやってたんだという指摘)自身に向けられ、加えて、前出の Digital Photography Review には、ライカ社直々に本 blog の 11 月 11 日分に載せた「公式見解」が送られているのに Luminous Landscape には、音沙汰もない、、(注、筆者が知る限り、Rangefinderforum.com (http://www.rangefinderforum.com/) にも直接届いていました。あ、、RLFC には、何も届いてませんですが、、、(^^;;)といったやや感情のもつれもあるみたいで、もうハリウッド・スキャンダルとでも言うのかセンセーショナルな事態になっております。お膝元のライカ・フォーラムでもこれは、ライカ社経営陣による「もみ消し工作」だとか物議をかもしておりまして、、、。
アタシが思うのは、年末商戦前に製品をリリースする事は会社の経営(しかも楽とは言えない台所事情の下)としては必定だっただろうと思いますが、瑕疵のある製品を市場にリリースしてしまった事に加えてそれらの評価記事(レヴュー)をどの様な形態にせよ差し止め(させた)の状態にした事はミスだったなぁと思います。但し、アタシは社会正義の御旗の下、、なんて青い事は毛頭思ってませんし、世の中の泥水もそれなりに飲んできましたからライカ社の立場(特に会社を株主から預かる経営陣の立場)もレヴューを担当した側と業界との関係も「水清ければ魚棲まず。」である事は理解出来ますし、大々企業なら兎も角、ライカ社と言う小規模な企業がデジタルの奔流に向けて舵取りをして行く事の難しさと言う事もなんとなく判りますし、歴代の M の系譜を継ぐ機種という重さもあるでしょうし、、、と、、若干、同情さえしておりますのです。
謝っちゃえば、、、ライカ社さん、、、潔く、、、。
で、、政争(?)、、は置いといて、例のマゼンタ被り、、、Imacon さんの flexcolor 付属の DMR 用カラープロファイル (M8 用ではない。)を Capture One で使うとあら不思議、、黒が黒に再現されるという新事実が出て、なんだか RAW で撮る限り問題が無いような記述も出て来ました。フォローアップしますです。
Recent Comments