Mr. Stefan Daniel との一問一答
以下は、Hessenpark に於ける、Leica 社の開発部門長ステファン・ダニエル氏と、Leica Forum メンバーとの質疑に関する英語訳である。R-System に関する部分のみ抜粋。
R10 and Alternatives
There will be no digital SLR aka R10
But there will be - and we are working on this - a suitable solution how to use R lenses digitally
It's very important to us, that owners of R lenses can take pictures digitally in the near future
This solution will have nothing to do to with the S2
Leica has examined intensively which features and what price tag a R10 had to have
Price would have been 6000 - 7000 Euro and it would have been far behind the competitors
This would have been a solution for the existing customer base but not for new customers
Therefore the R system is discontinued, the existing system runs out
There is no due date for the new solution
Indirect notes by Stefan Daniel to 35 mm full format
Definitely it's not going to be a SLR
(意訳)
R10 及びその派生機種について
☆デジタル一眼レフ別名 (also known as) R10 は、発売されない。
☆ R レンズをデジタルで用いる為の解決策を現在探っている最中である。
☆近い将来、R レンズの所有者の方々が、R レンズ群をデジタルで用いるようにすることは、とても重要であると捉えている。
☆その解決策は Leica S2 に関連したものではない。
☆ライカ社は、(かつて)R10 にどのような特徴を持たせ、どの程度の価格帯で販売すべきかを熟考した。(注、英語訳の意味が曖昧であるが、筆者は、以下の 1), 2), 3) が、この文章に掛かると解釈した。)
1) 価格帯は Euro 6000 - 7000 で、これは、他社の機種に比べてかなり割高な設定になる。(この価格が、R10 を想起させるものか、「解決策」の価格なのか曖昧であるが、筆者は R10 の価格と認識した。)
2) また解決策 (R10) は、既存の R ユーザーの為のものであり、新たなユーザーを想定するのは(引き付ける魅力に乏しい事から)難しい。
3) 従って(このような事情から)、R System が、その終焉を迎える事に変わりはない。
☆解決策の提示時期に関しては決まったスケジュールはない。
☆(遠回しの言い方で)フルフォーマットの可能性ありと、、、。
☆ SLR(一眼レフ)形式のものではない。
(以上)
他には、フルサイズの M9 に関して、考えはあるが、いつどのようなカタチで、、という事は明言出来ない、、等々の発言もあったようだ。
さて、R System は、終焉を迎えたが、既存のユーザーには何らかの解決方法を提示すると言っている。その内容は、、、?R ユーザー向けのリップ・サービスといった穿った見方も出来るのだろうが、SLR ではない、、、この言葉は、意味深だ、、、EVF を搭載した DMC-G1 のフルサイズ版のようなモノが出て来るのか、それともスタジオ・ユースの大型機(?)なのか、、、それともそれともボディの改造を含めた DMR II なのか?興味は尽きない。
暫くは、動向を見守るしかないというのが、筆者の立場である。
注、意訳中に一部誤訳(意味の取り違い)があったので、訂正した。
Comments
コンタックスAX方式のAFとルミックスG1方式のEVFを組み合わせれば Rレンズを使ったレンズ交換AFデジカメ出来そうですけどねぇ...できればフルサイズで (^^)
Posted by: 猿画堂 | Tuesday, 23 June 2009 10:58
既存ユーザーの為のもの、、、という言い方が引っ掛かります、、、既にボディを持っている、、、と解釈すれば、ボディの一部改造(フレーム枠加工)で、フルサイズのデジタルバックという可能性もあるのかなぁ、、と思っています。
そう考えると、デジタルバックとしては、安い、、、。だって、Canon EOS 1Ds Mk III, Nikon D3X の価格帯と考えると、、、Euro 6000 - 7000 って、そんなに安くない、、、ですものね。
Posted by: 野本 巌 | Tuesday, 23 June 2009 11:40
野本先生、こんにちは。
私としてはRは終焉したと考えております。
ですのでRのデジタルはDMRが最後と考えています。
その描写も素晴らしいものがあるので大切に使っていきたいですね。
追伸:flickr始めました。よかったらご覧下さい。
http://www.flickr.com/photos/woodyfields/
Posted by: Kazu | Tuesday, 23 June 2009 14:05
Kazu さん、
確かに、、、。R は、終わったのです、、、うぅ。
次期主力機種を考えなければ、、、なぁ、、。
まぁ、アタシはその解決策とやらまでは、手を出すと思います。
フリッカーの方、時々、拝見していますよ!
Posted by: 野本 巌 | Tuesday, 23 June 2009 14:17
思うにLEICA社は、その優秀なレンズが他社(キヤノンとかパナソニックとか)に利用されてしまう現在のRマウントを止めたかったんだろうと思います。
もしかしたらとどめを刺したのがG1のようなEVF機の登場だったかもしれませんね。
機械絞りレンズでは確実に他社に使われてしまう時代がきてしまった、と。
私の英語能力は不確かなので自信がないのですが、野本さんの意訳を読むまで違う解釈をしていました。
「検討したR10が持つであろう機能と6000~7000ユーロという価格は、競合製品に遠く及ばない。(加えてこの機能と価格は)既存ユーザーのためのものであるが、これでは新しいユーザーを呼び込むことが出来ない。したがってRシステムは継続不能であると判断した」みたいな流れかと思っていました。
最低限、Rマウントが使える新型AF電子マウントSLRだと良いですが、それがR10だったとすると、EVF搭載フルサイズMマウント機に、Rアダプターが付いてくる、という可能性もあるのかもしれませんね。(レンジファインダーMが無くなるのは想像しにくいので併用?)
Rマウントを続けて欲しいのは山々ですが、Sシステムを生かしたいのであれば、SとMに集中するのは企業としてはありそうなことだと思います。うーむ。
Posted by: RAVEN | Tuesday, 23 June 2009 14:43
RAVEN さん、
RAVEN さんの訳の方が正しいと思います、、、ので、既に訂正してますです。
ただ、solution というのが、R10 を指すのか、R レンズをデジタルで使う為の解決策を指すのか、曖昧なので、、、その辺りは適当にボカして、、、(;^^A
感情移入すると誤訳するという典型ですな、、、ははは。
Posted by: 野本 巌 | Tuesday, 23 June 2009 14:53
ありゃ、ホントに変わってる、、、、
最初の訳のほうが良かったのに、、、(;ω;)
加えて言うと、企業の論理はわかりますが、それによって企業が栄えるとは限らない、、、、、
まあ、LEICAファンは甘いからなあ、、、、
Posted by: RAVEN | Tuesday, 23 June 2009 15:03
RAVEN さん、
こうあって欲しい、、、と思うと、意訳もその方向に流れるのです、、、(アタシのバヤイ)、、、(;--
ちゅーか、今更、企業論理を云々する会社じゃないでしょ、、、ライカ社の場合。それを言うなら、10 年以上前、R8 が出たばっかりの時に、M 月さんのご紹介で当時の社長 Hans Peter Cohn 氏と内々で会食した際に、M 月さんが突如として、「R は止めるべきでしょ!」とおっしゃった時に止めとけば良かったんですよ、、、。あの時は、AME もあるし、他の優秀なレンズ群もあるし、、、R8 には、開発コストが数十億円掛かったし、、、と大それた御託を並べてましたのに、、、で、今になって、そこいらのヘボマーケティングのプロが言う様な事言って、、、。
これで、「解決策」がリップ・サービスだけだったら、Anti-Leica になっちゃうぞ〜〜〜♪
ARLFC とか、、、(^^";ゞ
Posted by: 野本 巌 | Tuesday, 23 June 2009 15:13
追加です。
R System に関して、ここまで厳しい選択をしたのは、一にも二にも、、企業というか、オーナーの懐事情だと思います。
要するに、金融危機が悪い、、、うぅ。
ブルネイの王様がライカ社買ってくれればいいのに、、、。
赤字垂れ流しでも何でも「良きに計らえ〜♪」、、そういうオーナーの為の会社ですよ、、、ライカ社は。
Posted by: 野本 巌 | Tuesday, 23 June 2009 15:16
うーむ、それでは、、、、、
危険な質問かもしれませんが、「Sの道」は正しいのでしょうか?
せめて5年前に出ていれば、と思ったりするのですが。
それにしてもFマウントをAF化し、いつのまにかGタイプにして、なおかつ最新型のD3XでもAiレンズが使える(それでユーザーからあまり批難されない)、というニコンはしたたかというか「正しい」ような気がします。
「固い」と言われながら、これほど柔軟な会社もないのかも。
LEICA社には、ニコンを参考にして欲しかったなあ。
Rマウントにはまだまだ可能性があったのに。
Posted by: RAVEN | Tuesday, 23 June 2009 15:32
RAVEN さん、
中判デジタルの販売台数は年間で 10000 とか 100000 台とか Leica Forum で、出てました。その 10% を目指すそうですから、EOS Kiss X3 (?)の月産台数の数分の一或は数十分の一、、、商業的な成功とは程遠い製品、、、R システムよりもっとマイナーな世界に新規参入しようというのですから、「企業論理」なんて、そもそも無いですよね、、、。
個人的には、S システムが上手く行ってくれればなぁ、、とも思いますが、R システムを終わりにしちゃったライカ社なんて、、どーでもいいです、、、(;^^A
結局、オーナー兼前社長に振り回されたんじゃないかなぁ、、、?
R レンズが使える S システムだったら、アタシの意見は当然「大賛成」だったのに、、、。S ボディと AF レンズだって数本買って、、、そういうユーザーって結構多い様な気がします。
アタシは、デジタルは折角フルサイズの D3 があるので、1Ds Mk III に気持ちは残しつつも Nikon さんにしようかしら、、、。まぁ、「解決策」待ちで、ゆっくり考えますです。
Posted by: 野本 巌 | Tuesday, 23 June 2009 15:46
野本さん、毎度です。
1台あたりの利益が100倍から数100倍あったら成り立つのかも知れませんけど、、、(乗せてたりして、、Kissの方が薄利すぎだという話も)
私が考えるなら、Sシステムのほうをミラーレスの薄型にして、アダプター付きでRにも使える、、、、としたかなあ。あまり速写性を考えないで。
Rマウントが完全に出ないとなれば、レンズマウントをFに変更、、、、って手もあるわけですが。
あまり改造はしたくないし、、、、
まあ、私も当面、デジはニコンがあるので不自由してません。
(コンデジはG10買いましたし)
Posted by: RAVEN | Tuesday, 23 June 2009 17:21
RAVEN さん、
アタシは、R Sytem は、そのまま使い続けて行くと思います。銀塩に回帰しても良いですし。今は良いとしてもいずれはデジカメも行き着くところまで行ってしまうと思います。そして、振り返れば、死屍累々たる、旧製品の山、、、。銀塩機は未だに Nikon F や Canon F1 が使えますが、デジタルでは旧製品に脚光が当たる事はまずありませんから、、、。
最近は、ラッパに凝っていますが、これはあくまでも人間勝負、、、その分、選択と集中(!)が大変ですが、一旦、楽器を買ってしまえば、その後の費用はタバコ代よりも安いです、、、。
何か、少しスローダウンしてもいいかな、、、と、、、。
人間、丸くなるもんです、、、(;^^A
Posted by: 野本 巌 | Tuesday, 23 June 2009 17:30
そーいえばマミヤの新型デジタルバック(なんとMシリーズ)の操作系、S2そのまんまですね。
http://www.mamiya.co.jp/news_mdinr09050026.html
要するにPhaseOne方式なんでしょうけど。
この中のM31が3160万画素でCCDサイズが44.2×33.1㎜。
S2の事実上のライバルの一つになるわけですね。
しかし将来的にマミヤには60×45mmまでイメージサークルがあると。
LEICAのSシリーズのために画素を高密度化してくれるかどうかはPhaseOneの胸の内次第ということになりそうです(高密度化よりも大面積化のほうが楽?)。
要はどちらが売れるか、PhaseOneがマミヤとLEICAを競わせる、という図式になるのかも。
果たしてLEICA社が望むような結果になるのでしょうか?
Posted by: RAVEN | Tuesday, 23 June 2009 17:45
あ、私もRはそのまま使うと思います。
R9のボディは特に気に入ってますし。
あとはフィルム生産がいつまで続いてくれるか、、、、ですね。
値上がりするんだろうなあ。
そのうちPhaseOneかどこか、R用のデジタルバック出さないでしょうか?
Posted by: RAVEN | Tuesday, 23 June 2009 17:51
ちなみにマミヤ用デジタルバックの発売が7月15日ということは、S2もそのころ?(予定では7月とか)
S2の量産体制はわかりませんが、PhaseOneのシステム待ちだったのかもしれませんね。
Posted by: RAVEN | Tuesday, 23 June 2009 18:10
マミヤさんの機種を語るなら、ZD シリーズでしょうが、アタシは全く興味がありませんです。Phase One 社は、ハッセル対応のデジタルバックが、事実上駆逐されてしまう事に対する危惧の念があったのだと思います。しかし、今回のライカ社の判断は、伝統あるライカ判を捨てて、、、でありますから、バルナックの呪いとも言うべきもの、、、ふふふ。
Phase One の生き残りにライカ社が騙されてしまった、、、そんな感じがします。
Posted by: 野本 巌 | Tuesday, 23 June 2009 23:22
野本さん、皆さん、ご無沙汰しております。
MiMoFaです。
ありがとうRライカ。そしてさようなら。
Posted by: MiMoFa | Thursday, 25 June 2009 22:06
MiMoFa さん、
本当に、何だかなぁ、、であります。
が、写真人生は続くのであります。
Posted by: 野本 巌 | Thursday, 25 June 2009 22:17
こんにちは。
最近、再度Rシステムにはまっています。
仕事は100%デジタルですが、趣味の写真がデジタルである必要は無い気がしています。
速度も、加工性も要求されないので。
Rの休止は寂しいですが、ライカの歩みを考えると、10年後に別の形で突如生き返ったりすることもありえると思います。
Posted by: Roberto | Wednesday, 01 July 2009 22:54
Roberto さん、
blog 用の画像を準備したり、急ぎのメールに画像を添付するには便利ですが、奥深さが無いというのか、、、。写真を撮る行為よりも、新しい機種を追いかけるのに疲れると言うのか、、、(;^^A
銀塩復活しようかしら、、、と思いつつあります。
R System は、ふ、、不滅であります、、、うぅ。
Posted by: 野本 巌 | Wednesday, 01 July 2009 23:16