とんかつ しょうざん
かつてはどの街に行っても、いやそれが都心であっても定食屋は個人の店で、旦那と奥さん或いは家族経営というのが基本単位だった。新橋、銀座、渋谷、新宿、神保町、六本木、虎ノ門、、、。それがいつの間にかファミリーレストランが郊外に増え、そしてチェーン展開をしている定食屋が増えるに従って、それら個人或いは家族経営の定食屋は一軒また一軒と減ってしまったのである。勿論、毎日朝から夜遅くまでの営業時間そして定休日も決まっていないような労働環境に嫌気がさし、跡継ぎがいなかったといった時代背景も有るのだろうし、一概に良い悪いで決めることは出来ないのだが。で、葉山には今や稀有な存在の定食屋が数件存在しているのだ。この食事処「しょうざん」もとんかつを中心とした限られたメニューのみでやっている店なのである。葉山町一色の店は、画像の建物の 2 階にあるのだが、看板も出ていないので、初めて行く際は、ナビでも無い限りは見つけるのに苦労するだろう。建物の 2 階に上がる階段には、シンプル過ぎる看板のみ、、、である。
昼時は混んでいる。ロースかつ定食 980 円(税別)を注文して、暫し待つ。待ち時間は、混んでいる昼食の場合、20 分程度だろうか?やや長いが、その後に続く料理を思えば、決して待てない時間ではないと後から思う。お櫃に入ったご飯に続いて、画像の食事盆が来る。自家製のソースをたっぷり掛けて、キャベツを頬張る。美味い。キャベツの段階でまずノックアウトされる。三浦半島の地元のキャベツはびっくりするほど瑞々しく美味い。とんかつは柔らかく、癖のない逸品で、油がもたれず、パン粉もサクサクで美味い。味噌汁としらす大根、漬物も美味い。ご飯を自分でよそうので、そこで調整だが、キャベツ、ご飯、味噌汁はおかわりが可能だ。胃がもたれてもおかしくない量と油物なのだが、全くそんなことは無い。お洒落な店も良いが、こういう日々の食事を支えてくれる店の存在が有り難い。
(DMC-GM5, G 20mm/f1.7 ASPH., Capture One 11 PRO, PS CC 2018)
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Comments
街の定食屋、確かに減りましたね。
こういうお店があると、ホッとします。
Posted by: ム | Thursday, 14 December 2017 07:08
ムさん、コメント有難うございます。
こういう個人或いは地元に根づいた食堂、、、とても味わい深いです。
チェーン店が一概に悪いとは言い兼ねますが、結局、後継者が居ないというのが消えていく主な理由のようです。
身勝手ですが、寂しい限りであります。
Posted by: 野本 巌 | Thursday, 14 December 2017 12:12